就活面接の効果的な練習方法3選! – 本命以外の面接、模擬面接、書き起こし

就活において面接は、選考の後半を占める重要な選考フローです。

しかし、面接は「ビジネスマナー」「回答内容」「表情、姿勢、雰囲気」など複合的な要素で評価されるため、たとえ徹底的に自己分析を行っていたとしても、その「伝え方」によっては評価を得にくい場合があります。

そこで今回は、「伝えたいこと」を取りこぼしなく面接官に伝えるための練習方法として「本命以外の企業を受ける」「ビデオ模擬面接」「面接内容の書き起こし」といった3つの練習方法について紹介します。

目次

1.就活面接で練習したほうが良い人

面接の練習は、取り組むことで、誰もが選考に良い影響を与えますが、人によって、効果の大きさは異なります。

特に、以下で紹介する2つの条件に当てはまる方は、面接練習することで大きな評価アップに繋げられる可能性が高いといえます。

(1)人と話すことが苦手だと感じている人


日常会話が苦手、自然と聞き役に徹してしまうなど、話すことに対して苦手意識がある場合は、面接でも言葉が詰まってしまう可能性が高いといえます。

一方で、会話が苦手な人の多くは、思考の深さや、論理的に考える能力に長けていることが多いので、自分の考えを面接官に伝えられないのは、非常にもったいないことです。

面接練習を通して、面接で発言することに慣れ、客観的な視点を身につけることで、自分の頭の中の考え、意見と、口で表現する言葉のギャップが小さくなり、面接での評価改善が期待できます。

(2)ビジネスマナーの知識を持っていない・実践したことがない人


学生にとって、ビジネスマナーは縁遠い存在だと思いますが、就活面接では社会人目線でビジネスマナーをチェックされます。

面接官の質問に対する言葉遣いはもちろん、返事の仕方、身だしなみや姿勢、入退室のドアの開け閉めやノックの方法、用意された席へ着くタイミングなど、細かい所作が評価の対象になります。

ビジネスマナーは、知識として身に付けているだけでは不十分で、実際の面接シーンで自然と行動に移せることが何より重要なことですが、人から聞いたり、ネットで収集した情報だけでは実践に移すのは難しいのが現実です。

ビジネスマナーを体で覚えるためには、この記事で紹介するような方法で面接の練習に取り組むことがおすすめです。

2.【方法1】本命以外で、興味のある企業の面接を受ける


本命企業の面接を受ける前に、練習のために第一志望でない企業の面接を受けておくと面接に慣れることができ、本命企業の面接でよりスムーズに受け答えできるようになります。

ただし、練習用として受ける企業は、どんな企業でも良いとは限りません。

ここでは、本命以外のすべり止め企業を受ける際の選び方、気をつけたいことについて説明します。

(1)本命以外で面接を受ける企業の選び方

いくら練習が目的であっても、全く興味のない業界・企業の面接を受けても、自分の考えを伝えるという意味では練習になりません。志望企業を軸として、大きく分けて次の2つの視点で練習用の企業を選んでみましょう。

①本命企業の子会社

本命企業の子会社であれば、少なくとも本命企業と資本関係にあることから、経営面や企業文化、企業理念の面で、親会社の影響を少なからず受けています。

実際に親会社出身の社員や人事も多くいるので、採用基準が似ていることも多いものです。

小会社の面接を受けることで、親会社の面接がある程度想定できるようになり、安心して本命企業の面接に臨めるようになります。

②本命企業の競合会社

本命企業に競合する会社を受けることは、本命企業での志望同期の説得力向上に繋がります。

例えば、電通が本命企業なら、博報堂やADKの選考に応募するイメージです。
(あまり人気企業になると、本命企業と選考時期が被ったり、面接まで進めない可能性があるので、競合の子会社でも良いでしょう。)

本命企業に競合する企業を受けることで、本命企業との経営的な戦略の違いや、それぞれの強み・弱みを把握することができます。

両社のポジティブな面・ネガティブな面を踏まえた上で本命企業の志望動機を考えると、「他社ではなく、御社でなければならない理由」を明確に、客観的に考えられるようになり、詰められても一貫性が崩れない、強い志望動機を持てるようになります。

(2)本命以外で面接を受ける際に気をつけたいこと

本命企業の子会社や競合会社を受ける際には、本音では志望企業でないという事情があることで、いくつか心得ておきたいことがあります。

ここでは、本命以外で面接を受ける際に気をつけたいポイントを2つ紹介します。

①面接を受ける企業について下調べをする

いくら滑り止めだからといっても、企業について何も知らない状態で受けるのは失礼であり、何より練習になりません。

本命企業を深く研究する意味でも、面接を受ける企業について情報収集を行った上で面接に臨みましょう。

ポイント

◆情報収集の方法
・企業サイト
・各種就活サイト
・企業に関する本(「企業名 × 本」で検索)
・企業に関するニュース(「企業名 × ニュース」で検索) など

②第一志望か聞かれた場合は、「第一志望」だと答える

内定が欲しい場合は、「第一志望です」の回答一択です。

採用する側の視点に立てば当然のことですが、内定を出しても入社しない可能性が高い学生に内定を出したい採用担当者はいません。

また、面接時に「第一志望です」と言ったからといって必ずしも入社しなければならないことはなく、学生には撤回する権利があるので、その点で心配する必要はありません。
(企業は、学生に対して入社を強要する権利はありません。)

3.【方法2】ビデオ模擬面接に取り組む


ビデオ模擬面接とは、模擬面接をビデオで撮影し、映像を見て分析・改善に繋げる練習方法です。ここでは、ビデオ模擬面接のやり方や、分析のポイントについて説明します。

(1)ビデオ模擬面接のやり方

ビデオ模擬面接は、3人のメンバーとスマホ(カメラ)さえあれば手軽に実施することが出来ます。

また、一般的に模擬面接と聞くと、学生同士で行うことが多いと思いますが、理想は、実際に社会で活躍する人と一緒に行うことが大切です。

ポイント

◆準備すること
・模擬面接に協力してくれる人×2人(社会人であることが理想)
・ビデオカメラ(スマートフォンカメラでもOK)
・面接本番に近い環境の部屋(大学のゼミ室、貸し会議室など)

◆必要な役割
・面接官役
・面接を受ける「学生役」
・面接を観察する「傍観者役」

(2)ビデオ模擬面接の流れ

では、具体的にどのような流れで進めていくのが効果的なのでしょうか。ビデオ模擬面接の流れについて見ていきましょう。

①役割分担、撮影機材、面接官役の質問原稿などの事前準備

まずは、「面接官役」、面接を受ける「学生役」面接を観察する「傍観者役」を決め、それぞれの役割ごとに必要な準備を行いましょう。また、「受ける学生役」の志望企業の面接情報を調べておき、本番に近い形で練習できるとよいでしょう。

ポイント

◆面接官役(※可能であれば社会人が望ましい)
⇒面接で質問するための質問原稿の準備、面接する企業に関する調査(事業内容、経営方針など)

◆受ける学生役
⇒志望企業を決める、志望理由、自己PR、自己紹介など基本的な質問に対する回答の準備

◆傍観者役(兼カメラ役)
⇒面接における自分の得意・不得意箇所の把握(自分と比較するために)

②模擬面接、撮影

面接の撮影を行います。出来る限り実際の面接会場に近い形で実施するため、大学のゼミ教室や貸し会議室など、個室で実施すると、より効果が高いといえます。

また、面接は学生が入室するところから開始し、退室するまで撮影します。たとえ途中でミスしてしまっても、途中で止めないことが大切です。

ポイント

◆面接官役(※可能であれば社会人が望ましい)
⇒用意していた質問を投げかける、学生の回答に応じて、適宜深掘りする質問もアドリブで行う、様々なパターンの面接官を演じる(圧迫系、無視系、親しみやすい系など)

◆受ける学生役
⇒本番を想定して面接官の質問に対して答える、入退室やあいさつ、着席・離席などビジネスマナーも意識する、

◆傍観者役(兼カメラ役)
⇒時間の計測、「学生」の回答から感じたことを評価する、客観的な視点で「学生」がどんな人間に見えたか評価する、

③撮影動画からの分析

⇒面接の撮影が終了したら、メンバー3人で動画を振り返ります。動画を見ながら、必要なシーンで各メンバーに対して感じたことや改善ポイントなど意見交換を行いましょう。

ポイント

◆面接官役(※可能であれば社会人が望ましい)
⇒良かった回答・悪印象だった回答内容のフィードバック、話し方・雰囲気・表情に関するフィードバック、

◆受ける学生役
⇒上手くいった回答・上手く伝えられなかった回答の共有、自分の苦手部分が面接官・傍観者にどう映ったか確認

◆傍観者役(兼カメラ役)
⇒面接官が気づかなかった良い点・悪い点の共有、客観的に見た「学生」の見え方の共有

④役割交代

①~③の流れを一通り終えたら、次は役割を交代して同じことを繰り返します。就活生が、面接官役として面接を行うことで、面接官が求める回答の仕方が、手に取るように分かるようになります。

(3)ビデオ模擬面接の分析ポイント

撮影動画を見て、特に以下の観点に注意しながら、気になる点を挙げていきます。

①面接全体を通して、自分は、どのような人に見えたか

姿勢、目線、声の出し方などから、「自信の度合い」はどうか?会話の内容から「意識の高さ」は見てとれるか?また、質問に対する回答や態度、表情から「頭のキレの良さ」「どのような性格」に見えるのか?

撮影動画をよく観察し、傍目にはどう映るのかを把握しましょう。自分では意識していてもできない点、無意識のうちに出ている欠点は、客観的に見ることで初めて知ることができます。しっかりと改善策を立てましょう。

②特にダメに感じた点はどこか、どのような部分からダメに感じたのか

面接という特殊な場では、普段どおりにできないことも多々あります。柔らかな表情、落ち着いた態度、声の通り具合、きちんとした喋り方、聞き取りやすい間のとり方など。ダメと感じるところは意識して練習してみましょう。

③各質問の回答から、ネガティブな印象・違和感を持つ回答は無かったか

ポジティブで意欲のある回答が必要ですが、当然ながら、短所などマイナスとなり得る質問もあります。その場合、自身のマイナス面を正直に見据えると共に、「~ですが、持ち前の慎重さで…」など、プラスの方向へ導く文章構成により、ポジティブなイメージ変換も有効です。

練習で使ってみたけれど、もう少しプラスイメージのほうがいいかな、と感じる回答は思い切って修正しましょう。少しの言い回しや言葉選びで、格段に良くなることがあります。

ビデオ模擬面接は、そういった細かい箇所もしっかり見直して本番に備えられる、頼もしい練習方法です。

(4)ビデオ模擬面接で注意したいこと

ビデオ模擬面接は、単発で取り組んでも、高い効果は得られません。以下2つのことに注意して、繰り返し・様々な役割を演じながら取り組みましょう。

①複数回繰り返して実施する

就活セミナーや模擬面接体験などで、1回だけ実施することは多いと思いますが、模擬面接は、1回だけの実施では評価改善に繋がるとはいえません。

なぜなら、1回目の模擬面接は「自分の現状確認」に過ぎないからです。1回目の模擬面接では、自分の苦手部分が露呈されるだけで、改善に繋がるわけではありません。評価改善に繋げるためには、2回目以降の模擬面接で、1回目の反省点をを踏まえた模擬面接に取り組まなくてはなりません。

従って、面接の評価を改善するためには、模擬面接を2回以上繰り返すことが必要だといえます。

②傍観者役・面接官役も必ず体験する

面接においては、学生視点と面接官視点・傍観者視点では、見えるポイントが大きく異なります。学生視点では問題ないと感じていた回答や動きが、面接官視点・傍観者視点では、大きなマイナスポイントとして映ることもあります。

面接官役・傍観者役を体験することで、自分の面接に活かせる部分が多くあるため、全ての役割を同じように体験するようにしましょう。

4.【方法3】面接内容を文字に書き起こす


一言でいうと、面接の議事録です。ただし、単なる面接で交わされた質問・回答内容の議事録に留まらず、席の配置、面接官の位置、会場の雰囲気、面接官の表情など、面接中に見た風景を出来る限り詳細に書き起こします。

面接内容の書き起こしを行うことで、面接における自分のウリ・弱みを具体的に把握でき、次回以降の面接に活かすことが出来ます。

◆評価の良かった面接
⇒どんな話が有効だったのか?/どんな動き・表情が評価されたのか?

◆評価の悪かった面接
⇒どの場面で、相手はマイナスな印象を受けたのか?/どの回答が問題だったのか?

(1)面接内容の書き起こし方

では、具体的にどのような内容を書き起こせばよいのでしょうか。書き起こしのために準備するもの、内容について見ていきましょう。

ポイント

◆準備するもの
・A4程度の白紙
・ペン

◆書き起こすタイミング
面接が終わったら極力早めに、遅くともその日の夜までには、書き起こしに取り掛かりましょう。

◆書き起こす内容
・面接の日付、会社名、何時面接だったか
・面接室の様子、ドアや椅子の配置、面接官、学生の数や場所をイラストで再現する
・面接官の特徴を箇条書きで書き出す(年齢、性別、雰囲気、口調、など)
・面接官の質問内容と自分が回答した内容を会話調で書き出す
(会話の間、口調、スピードまで詳細に再現する)
・回答に対する面接官の反応を、それぞれ書き加える

(2)書き起こしの分析ポイント

面接内容の書き起こしの目的は、分析することにあります。全て書き終えたら、次のポイントを元に分析を進めましょう。

①面接全体を通して、自分はどのような人だと思われたのか?

話す内容・見た目・細かな所作を含めて、あなたはどのような人だと思われたと想定されますか。

面接官の表情・質問の方向性・雰囲気などから、自分自身の人間像を客観的に判定してみましょう。

ポイント

◆自信の度合い
・主張に一貫性があったか
・自分の信念を持っているか
・自信のある表情・姿勢だったか

◆意識の高さ
・リーダーシップを持っているか
・自立しているか
・プロ意識を持てる人か
・先を見れる人か

◆性格
・全力で物事に取り組める人か
・まっすぐ向き合える人か
・人を大切にできる人か

◆頭のキレ
・問題意識を持っているか
・空気を読めるか
・アイデア力があるか
・機転が効くか  など

②マイナス・プラス評価に繋がったポイントは無かったか?

回答内容や細かな所作において、失敗したと感じたシーンや、面接官の顔が曇ったシーン、もしくは笑ってくれた、強く頷いてくれたシーンは、どんな場面でしたか。

書き起こし内容を確認しながら、面接中には気づかなかったマイナス・プラス評価ポイントを掘り起こして、次回以降の面接に活かしましょう。

ポイント

◆マイナス評価の該当箇所
・面接官の表情が曇った
・面接官が興味を失った
・面接官に間違いや矛盾を指摘された
・想定外のことを質問されて、悩んだ結果、当たり障りのないことを言ってしまった
・面接官の質問に違和感を感じた  など

◆プラス評価の該当箇所
・面接官が笑ってくれた
・強く頷いてくれた
・「なるほど」といってくれた
・自分の話に興味を示してくれた  など

5.まとめ

面接練習の方法について、3つ紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

就活面接は、すべり止め面接であれ、ビデオ模擬面接であれ、繰り返し経験していく中で上達していくものです。

ただし、気をつけておきたいのは、面接練習は、あくまでも「あなたの伝えたいことを、少しでも取りこぼしなく面接官に伝わるようにするための、表面的な技術練習」に過ぎないということ。

つまり、「伝えたいこと」が明確になっていなければ、いくら面接練習を積んでも魅力的な学生には見えないということです。

自分の「伝えたいこと」を育てる作業も怠ることなく、「自己分析」と組み合わせて取り組むことで「伝えたいこと」を明確にしたうえで、面接練習を通して、上手く伝えられるようにしましょう。

                     

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